岡崎市消防本部に全国で唯一配備さえている全地形対応型消防車両「レッドサラマンダー」が五日夜、西日本の記録的な大雨を受け、愛知県を通じた総務省消防庁の派遣要請で大分県に出動した。

　気象庁が「数十年に一度」の災害発生の危険が高まった場合に発令する特別警報から約五時間後の午後十時五十五分、消防隊員八人がレッドサラマンダーを乗せた輸送車と後方支援者で出発した。

　同市消防本部は、六月未明に名古屋市消防局などと合流。被災地では指揮、消火、救助の各隊を動員した名古屋市消防局の支持で活動する。活動する被災地は大分県日田市か中津市になるとみられるが、詳細な被災状況が不透明なため、具体的な活動内容や出動期間は未定という。

　レッドサラマンダーは本来、「緊急消防援助隊が出動する大規模災害」を要件に、同庁が全国への出動の必要性を判断する。しかし、出動要件を緩和している検証期間中の大規模災害だったため、本来の要件を含めて被災地の近隣自治体の支援を待たずに派遣が要請された。

　レッドサラマンダーは六月二十一日に岡崎市東部に警戒出動したが、発災による県外出動は配備後初めて。

（７日１面）