8月30日~9月4日紙面

卓球羽根田選手 豊田に凱旋

 リオデジャネイロ五輪のカヌー・スラローム男子カナディアンシングルに出場し、日本人初の銅メダルを獲得した豊田市出身の羽根田卓也選手=ミキハウス=が三十一日、同市役所を訪れ、太田稔彦市長らに凱旋報告を行った。

 羽根田選手は、同市朝日丘中学校、杜若高校出身。高校卒業後は、五輪での金メダル獲得を目標にカヌー競技の強豪国として知られるスロバキアのコメニウス体育大学に単身留学。現在は同大の大学院に在籍しながら、国内外の大会に出場している。

 平成二十年の北京大会で五輪デビューを果たし、この時は十四位という結果に終わった。二度目のロンドン大会では七位入賞と躍進したが、メダルには届かず。三度目の挑戦となった今大会で、念願のメダルを獲得した。

 羽根田選手はこの日、関係者とともに来庁。出迎えた太田市長らの案内で庁舎内に足を踏み入れると、到着を待ちわびていた市民らから盛大な拍手と歓声で迎えられた。

 市職員から花束を受け取った羽根田選手は、集まった市民らの前で開口一番「豊田市、ただいま!」とあいさつ。続けて「きょうはこんなにも大勢の方が来てくれてびっくり。豊田で生まれてカヌーの練習を続け、スロバキアに移ってから十年、いつかメダルを持って凱旋したいと思っていた。きょうという日を迎えられて本当にうれしい」と喜びを露に、胸から下げた胴メダルを掲げて見せた。

 この後は市長室に場所を移して太田市長と歓談し、メダル獲得までの道のりについて語ったり、実際に大会で使用したカヌーに座ったりする場面も。歓談の前には、羽根田選手らのメダル獲得を受けて新設された「豊田市スポーツ栄誉賞」の表彰状が贈られた。

 今後の目標について聞かれると、羽根田選手は「四年後の東京五輪は、競技者として一番いい状態で迎えられると思う。東京に向けて努力を続け、金メダル目指して頑張りたい」と意気込んだ。

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