6月7日~12日紙面

愛教大附属岡崎小 乙川リバフロを学ぶ

 愛知教育大学附属岡崎小学校六年一組の四十人が九日、乙川リバーフロント地区整備計画を学ぶために推進派と反対派への“取材”を行った。社会科の一環で、市のまちづくりについて考えを深めた。

 児童らは、二班に分かれて五月十六日に推進派の市都市整備部男川リバーフロント推進課、計画されている中央緑道のヒマラヤスギ伐採に反対する浄土宗西岸寺(康生通南三)を訪ね、それぞれ話を聞いた。今回は、前回とは逆の場所を訪れた。

 市役所では、担当者が仮称乙川人道橋や、現在の中央緑道を含む籠田公園と乙川を結ぶ仮称岡崎セントラルアベニュー、予算内訳などを説明した。内田康宏市長が目指す観光産業都市実現の一つの手段であり、市民対話集会や説明会などで周知を図っていると強調。遊歩道化のために木々を伐採することについては「周辺住民の意見をくみ取り、残せる部分は残したいと考えているが、安全面から倒れやすい木は切らなければならない」とした。さらに人道橋上でのイベントについては「にぎわい創出のための企画は民間主導の方が誘客できると思う。皆さんのアイデアが必要」と述べた。

 一方西岸寺では、早川円浄住職が中央緑道周辺の歴史を説明。ヒマラヤスギは昭和三十四(一九五九)年の伊勢湾台風後に防風林として植えられたのが起源で「まちなかに緑は必要」と持論を展開した。まちづくりには一定の理解を示すものの、伐採については反対を主張。署名運動を行い、市に提出したことも明かし「小学生の皆さんにも関心を持ってもらい、さまざまな意見を言ってほしい」と呼び掛けた。

 周辺地域での聞き取り調査も実施し、双方の意見を聞いた児童らは「それぞれの立場の主張を聞くことができてよかった。慎重に議論をしてまちづくりを進めてほしいと思う」と感想を語った。

(10日3面)