12月15日~20日紙面

アスファルトに咲くド根性スイセン

 アスファルトに咲くスイセン―。岡崎市矢作北小学校の南にある同市橋目町の「橋目」交差点歩道橋の下に、“ド根性スイセン”がひっそりと生えている。同校の石井洋校長(59)が九月、保護者と一緒に登校する児童の安全を見守っている時に発見。同交差点は児童の約八割が通学で利用するが、見つけた児童はほとんどいないという。

 発見時はアスファルトを突き抜け、五㌢ほどの茎が出ていた程度。その時は「雑草かな」と放置していたが日に日に成長し、十四日に“開花”を確認した。十五日現在で高さ約五十㌢。白のかわいらしい花を四輪付け、つぼみもある。

 石井校長は「なぜこんな場所から生えたのかは分からない。球根が残ってしまったのか」と首をかしげる。「花を見つけた時は『劣悪な環境の中、ようがんばったね』とうれしかった。苦境を抜けて咲いた花は美しく、力強さを感じる。今の花が咲き終えるまでは、そっと見守りたい」と話している。

(16日1面)