11月10~15日紙面

報奨金制度で特殊詐欺被害未然防止へ

 岡崎署と岡崎額田防犯団体連絡協議会(田口竜也会長)は、同署管内(岡崎市、幸田町)で多発する現金自動預払機(ATM)を利用した振り込め詐欺などの特殊詐欺被害に歯止めをかけるため、県内初となる報奨金制度を制定した。十六日から運用を始める。

 管内での特殊詐欺被害発生件数は十日現在で三十二件(前年同期比八件増)、被害総額は約四千二百万円(同六千四百五十万円減)。

 被害が多発する一方、金融機関などでの水際対応で被害を未然に防いだ事例も少なくない。こうした対策を警戒してか、最近は犯人が被害者に近隣の商業施設やコンビニのATMから振り込むよう指示する事例が増加している。

 同署と同協議会は住民一人一人の防犯意識を高めて未然防止につなげようと共同で報奨金制度を考案。声掛けなどで特殊詐欺被害を未然に防ぎ、両者の協議で未然防止に相当の功労があると認められると、報奨金一万円と署長感謝状が贈られる。

 田口会長は「高齢者をだます卑劣な犯罪を防ぐため、岡崎署と共同で報奨金制度を設けた。制度の周知を図り、犯罪抑止につなげたい」。山内和久署長も「全ての人の防犯意識を高め、社会全体で特殊詐欺を締め出す機運を高める一助になれば」と期待を示す。

 運用期間は平成二十八年三月三十一日まで。期間中の報奨金総額は十万円以下を予定している。

(12日1面)