三十一日午前二時五十四分ごろ、岡崎市上和田町のコンビニエンスストア「セブンイレブン岡崎上和田店」に男が侵入し、男性店員を人質に店内の事務所に立てこもった。岡崎署と県警捜査一課などは約五時間後に捜査員らを店内に突入させ、同市宮地町の無職鈴木保人容疑者(32)を監禁の疑いで現行犯逮捕した。休日明けに発生した立てこもり事件に、現場付近は一時騒然となった。

　逮捕容疑は、鈴木容疑者は店内に刃渡り約十七㌢の洋出刃包丁を持って押し入ると「金はいらない。事務所に入れ」と男性店員二人を脅し、店内の事務所に押し込んだとされる。侵入時、店内に客はいなかった。間もなく店員のうち一人は、来店客の応対のために事務所から出ると、四十～五十代の男性客とともに隙を見て店を脱出し、一一〇番通報。残された男性店員２８は、午前八時四分の容疑者逮捕まで事務所内に監禁された。

　同署などによると、鈴木容疑者は容疑を大筋で認め、動機については「自分の人生を悲観し、何か大きなことをやってやろうと思った」と話している。逮捕時は酒に酔った状態だったという。

　鈴木容疑者は犯行中に自傷行為におよび、左腕に浅い切り傷を負った。最後まで監禁されていた男性店員は、鈴木容疑者から包丁を突きつけられた際にあごに擦り傷を負った。先に脱出した男性店員１９にけがはなかった。

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　現場はＪＲ岡崎駅から直線距離で北西に約一㌔。ピアゴ上和田店の南側で、県道岡崎刈谷線に隣接している。事件を受け、午前三時三十分から付近の上和田西交差点～上和田東交差点間の約六百㍍に交通規制が敷かれ、八時三十七分ごろ解除された。

　近所に住む七十代男性は「家の近くでこんな事件が起きるとは信じられない。驚いている」と、不安げに話していた。

（１日１面）