5月12~17日紙面

額田木の駅オープン

 岡崎市額田地区の森林再生と地域振興を目的とした「額田木の駅再生プロジェクト」が十五日、始まった。市内の間伐材を出荷すれば同地区内で使用できる地域通貨「森の健康券」に交換できる仕組み。県内では四例目となる取り組みに、林業関係者からの期待は高い。

 出荷規格は市内の森林で一年以内に間伐したもので、樹種は問わない。ただし、極端に曲がっているものや腐っているもの、汚れているものなどは不可。広葉樹は長さ百五十センチ以上、針葉樹は二百センチ以上、直径は細い方が十センチ以上と決められている。同地区内にある七カ所の土場に出荷し、出荷伝票を記録して窓口に提出すると、一トン当たり六千円相当の「森の健康券」が発券される。

 初日は、約三十人が約二十トンのスギやヒノキ、マツなどを持ち込んだ。集荷されたものは木材チップ化されるという。

 桜形町の木材土場では、内田康宏市長ら来賓と林業関係者ら計約百五十人が参加して開駅式が行われ、テープカットに代わる丸田切りもあった。額田森の駅プロジェクトの実行委員長を務める元額田町長の鈴木啓允さん(71)は「健康な森づくりと額田地区の商工の発展も見据えて取り組んでいる。実行委員会には森林所有者やボランティアなどさまざまな有志が集まってくれた。木材価格が低迷する中、間伐もせず森林放棄する例も見られる。そんな状況を打破し、少しでも手助けができたら」と話した。

 鈴木さんによると、額田地区の86%が森林でスギやヒノキの人工林は約七割。十年以上手入れを行っていない森林もかなりの割合であるという。

(16日1面)